ひとの感想が聞きたいからまずは自分から書いてみよう

アマプラで見た映画の日記です。すかしたレビューもします。

今ならアマプラ無料、65/シックスティ・ファイブの感想/アダム・ドライバーと行く、2023年とは思えない手堅くコンパクトなSFが楽しめる。

今回も主演俳優で見てみるかでピックした一本です。

当ブログのスタンスであるジャケ買いはいいんですか?いいんです!を貫いて、娯楽映画の感想を残していきたいと思います。

今回の推しアクションスターはアダム・ドライバー。シークエルなる、スターウォーズの続編を自称する背教者のまがい物駄三部作において、映画の魅力の大半を担っていたカイロ・レンを演じた役者です。

何がいいって人間臭く苦悩する表情がすばらしい。とにかく苦しめておけば画になる役者です。

今度上映されるコッポラの最新作「メガロポリス」でも主演ということで、今回は彼のSF映画を取り上げたいと思います。

あらすじ

https://filmarks.com/movies/92797

視聴ページはコチラ

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0B8TSS23W/ref=atv_dp_share_cu_r

娘の治療費を稼ぐため、二年間の長期任務を引き受けた宇宙船パイロットのミルズ(演:アダム・ドライバー)。ある時彼の船は謎の小惑星群に衝突し、近くの未開の惑星に墜落してしまう。

生存者数は絶望的。自殺すら考えたミルズだったが、一人の少女を救出したことで脱出に向けて動き出した。未開の惑星には巨大な生物の足跡も見える。墜落時に船から分離した脱出用シャトルに二人はたどり着けるのか?

6500万年前、恐竜が全盛を誇った地球から…

この映画のここが面白い!

人間キャラが二人しかいないから全編アダムの苦悩と苦悩とあと絶叫!モンスターパニックとしてもうまく説明を省略できててよい!上映時間もさっぱりしててよし!

アダムの苦悶の表情の魅力についてはもはや語るべくもない魅力として、この映画の上手なところは、白亜紀という舞台の活用です。

プロット自体は、船の不時着とモンスターの遭遇という手垢で磨き抜かれた題材ですが、この不時着先を恐竜時代にすることで、惑星○○の原住民の実験がどうこうとか、そういうくどい説明を省いてシームレスにモンスターパニックに移行できています。

その結果が92分というコンパクトな上映時間で、非常に見やすい映画となっております。

人間キャラをミルズとコアという少女に絞ったプロットもこれまた陳腐ではありますが、二人の母語が違うという一捻りを加えることで、ピンチの演出もストレスの低いものとなっております。

やっていることは子供が余計なことしてピンチという、パニック映画ガッカリポイントのドンピシャを踏んづけていますが、そこに言語の壁という要素が加わり、コミュニケーションエラーもやむを得ないかなと思えるつくりになっています。

連れ出す際に、コアの両親が生存しているというウソをミルズがつくことでうしろめたさと使命感を付け加えるのも、シンプルで上手な話作りだと思いました。

要素のひとつひとつは凄く陳腐ですが、モンスターパニックとして手堅い作りのこちらの映画。こういう映画が好きで、クオリティ低いのを踏みたくない人にはオススメです。上映時間も短いものですから。

 

私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。

無論、キングコング対ゴジラを劇場で見られるのであれば。

前回

パンフレット再販は初代だけってちょっと渋くない?

 

なんか続報がないと思ったら月末上映にズレていまいち納得いかないゴジラ・シアター第二弾。8月は見に行きたい新作があまりなかったのもあり、もちろん見にいきましたとも。

上映作品はキングコング対ゴジラ。前回とは打って変わって娯楽に振り切った作品で、リバイバルする意義も怪しい。冒頭からでかでかと表示される東宝30周年、記念作という部分を見るべきでしょうか。

ゴジラが出演しているからには100億の加点から入るこの作品、もちろんオススメでございますからアマプラ無料のいまのうちにご覧頂きたいです。

視聴ページはコチラ

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00JO60LLO/ref=atv_dp_share_cu_r

しかし、映画の内容をお話しする前に、重要な評価軸を示さねばなりません。

ところで、コング単独作ってどれがオススメなの?

ゴジラとコング、日米の怪獣王。現在進行中のシリーズモンスターバースでは、主役の二人としてすっかり馴染みましたが、両者には決定的な違いがあります。

コングのほうが出演作が少ない

ということは、ゴジラより新規さんが入りやすいのか、と言われるとそうでもないのが面倒なところ。

キングコングというキャラクターの難しいところは、モンスターパニック・コングに愛着を持たせるキャラクター付け・コングを探索する一団のキャラ付けという、3つのポイントを抑える必要があります。

それを踏まえてコング単独作のオススメをひとつ考えろと言われたら、実に困る。

まず、初代コングはキャラ付けの面がどちらも完璧ですが、如何せん1930年代のストップモーションで迫力を感じろというのは無理がある。映像面の技術が未発展が故にコングに愛着を持てるという側面がありますが、モノクロですからね。ちなみに、ベタベタの髑髏島の部族の描写も、稚拙な部分がカラーがない故見えなく、説得力が後発作より高いという独特の魅力もあります。

次に、1976年版のリメイク。こちらは優等生な出来栄えでコングのアップデートをよくやったという内容ですが、ただなぞってるだけという印象が否めません。映像的な新しさも今となってはな部分がどうしてもありますし、何よりオリジナルの強みである上映時間の短さが失われています。個人的には嫌いな映画ではありまえんが敢えてお勧めする一本ではありません。

ならば、時間を置いて2005年のピータージャクソン版がオススメと聞かれたらやっぱりそうでもなくて、こんな3時間に渡る監督の趣味剥き出しのもんをいきなり勧めるのは誠実でないと思います。

映画としてはまあ大したもんですが、ロードオブザリングのヒットで会社の強く出れたのかやったら趣味臭いシーンが多くて…

ちなみにこちらの映画は現在アマプラ無料です。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B09QFJXHSJ/ref=atv_dp_share_cu_r

つまり消去法になりますが、映像面の良さと上映時間のまとまり、コング調査隊のキャラ付けという観点から、一番のオススメはシリーズに組み込む前提で制作されたモンスターバースコング第一作、髑髏島の巨神がオススメです。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B071FP9RKP/ref=atv_dp_share_cu_r

雰囲気は初代プレデターみたいなモンスターパニックの色が強く、コングとの交流の大半は次回作以降でフィーチャーしたという点でも異端の作品ですが、アマプラ無料なので是非。

じゃあ、キンゴジのコングはちゃんとコングなのか?

ゴジラとコングのキャラ付けも控えめに言って雑ですが、この映画は娯楽作としては最高です。

ゴジラの悲劇性や人類文明の警告のニュアンスをほとんどを取り払って描いた最初の作品であり、そこにコングをぶつけてスター性と迫力で娯楽に仕上げた、シリーズの分岐点とも言える一本です。これがなければ怪獣映画の続編のフォーマットは確立できていなかったことでしょう。

ドラマの大半はコングに集中することで、ゴジラは災害性一本で対決に赴くのですが、コング側のドラマはそれ単体で見たらチャチもチャチ。製薬会社のプロモーション部門が一発逆転のために髑髏島改めファロ島に赴くのですが、まさかの撮影班二人体制。

しかも原住民がもろに顔に黒塗りしただけの日本人で、かなり英語っぽい現地語を話すもんで緊張感はあったもんじゃない。これだけのエキストラ集めて何やってんだと思いきや、村に大タコ襲撃。からのコングがタコ退治。隙を突いてヤマタノオロチ戦法で寝込みを狙って捕縛するという流れですが、ここの映像の迫力が凄い。劇場で見る価値はありました。人間をタコ足が掴むシーン等は流石に時代を感じましたが、人間と絡まないシーンのスケール感は何と言っても特技監督円谷英二の仕事が光ります。

他にも、初代キングコングのポスターのオマージュで国会議事堂にコングが上るシーンでは、コングに捕まった浜美枝演じるふみ子の声が劇場で聞いてみたら近すぎてスケール感台無しだったことを除けば完璧ですし、画面に対するドラマの粗を指摘すればキリがありませんが、とにかく迫力満点です。

さらに、人間ドラマが評価に値しないと言われたらそういうわけでもなくて、キャラクターの確立は雑でもテンポの小気味の良さでカバーしております。

同時期に東宝植木等の人気シリーズ第一弾「ニッポン無責任時代」を飛ばしているので、コメディの心地よさは一級品です。有島一郎演じる部長のコメディ芝居は今の視点で見ると少しクドく感じるかもしれない、ぐらいが懸念点です。

人間ドラマに人間ドラマとしての価値を持たせない手法は、後のモンスターバース映画ゴジラvsコングとゴジラxコング新たなる帝国でも娯楽映画に振り切る一つの手法として再発見されていますし、コングに話が偏りすぎているという点が共通しているのも興味深いですね。

 

私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。

 

今ならアマプラ無料、ザ・ロストシティの感想/コメディのおかしさと、冒険映画への愛をたっぷりに。あとサイコラドクリフ。

長期シリーズ映画のいいところは俳優との出会いと常々言っておりますが…

ヒーロー疲れが問題提起されて久しい映画業界。ですがMCUに限らず、毎回とりあえず見に行くような長期のフランチャイズを追うと、お得な要素がひとつあります。

それが、俳優陣との出会い。特にヒーロー映画では、ヒーロー・ヴィラン越しにその人の演技を好きになりやすいため顕著です。

印象に残った役者の出演作からアマプラ無料の作品を探すだけで、ぼんやり見てない映画をピックするより満足度が違います。

例えば最近では、グリーン・ゴブリン役でお馴染のウィレム・デフォーが主演と聞いて、「永遠の門 ゴッホの見た未来」を鑑賞しました。絵画好きで映画好きの私にはたまらない、この上なく美しくて儚い幸福を描いた映画ですが、惜しむらくは鑑賞時点でアマプラ無料解除期限が決まっておりました。

そろそろ公開一か月経ちそうなデップーウルヴァリンでもそれに近い出会いがありました。それがガンビット役を演じたチャニング・テイタムです。

XMENの主要キャラなわりに映画での出番に恵まれないキャラを、予想外のカメオでキレキレのアクションを見せられたもんですから、これはテイタム出演作を復習しないわけにはいかないなと。

あらすじ

https://filmarks.com/movies/100677

視聴ページはコチラ

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0B8V42B5S/ref=atv_dp_share_cu_r

歴史小説が書きたいから冒険ラブロマンスのテイにしたのに本命じゃない部分が大衆ウケしてしまったことが悩みの作家ロレッタ(演:サンドラ・ブロック)は、編集者に無理やり引きずり出されて宣伝興行のブック・ツアーに出演した。

ツアーでは好きでもない派手で機能性の低い服を着せられて、嫌いじゃないけど善人すぎて鬱陶しい自著のカバーモデルを務めるアラン(演:チャニング・テイタム)とコミュニケーションエラーを起こし、ストレスが貯まりっぱなし。

そんな移動中に、突如ロレッタは拉致されてしまう。

犯人はアビゲイルという富豪。(演:ダニエル・ラドクリフ)

彼は人間性や能力、加えて初見でもわかる人間性等の問題から弟たちに次期当主の座を奪われており、一矢報いるために遺跡の発掘から世紀の大発見、黄金を求めていた。

意味不明な動機で拉致されたロレッタを追うため専門家を雇い、いなくてもいいのに心配が故に同行するアラン。そして付き合いきれないからさっさと脱出を目論むロレッタ。

彼らはバカサイコ金持ちの買い取った島から逃げだせるのか、そしてロストシティとは…?

この映画のここが面白い!

冒険映画に愛のあるアクションたっぷり!ギャグもテンポいいし大体サイコラドクリフが全部悪いから不快感もない!変にドラマパートに力入れてないのに自然と物語も進むから一本の映画としてもヨシ!

この映画の上手な部分は、アビゲイルことサイコラドクリフが基本ダメで動機の部分がごちゃついていないところです。

こいつが冒険映画によくある金掘り当て極悪人でありつつ、ロレッタとアランの抱える悩みを解消して映画としてのシナリオのすっきりさを担保する、きっかけとして機能しているのです。

ラドクリフの芝居も大したもんで、明らかに人の顔見てない喋り方、バカにした態度、ちょっと護衛が歩くの遅かっただけでキレる器など、カスの演技に必要なものを概ね取り揃えております。

ギャグについても、アクションと同時進行でやるため、そのつもりはなかったのに追手のバイクを谷底に突き落としてしまっただとか、シュールコントをテンポよく出していく、冒険映画パロディとしての魅力を兼ね備えた愉快なものとなっております。

コンセプトという意味では、当時視点の古い冒険映画パロディとして作られたレイダースへの回帰とも言えますね。

口頭のギャグは割とうんこ寄りだったり名前イジりだったりするのがちょっと冷えるかもしれません。

気難しい作家ロレッタ、善人故に鬱陶いのに加えて学がないから知ったかぶりするアランという、脚本次第でいくらでも嫌いになれそうなキャラ付けも、必然性のないところでゴネて足止めとかしないせいか、上手く扱えていると思います。

この二人は確かに現在の仕事のありように不満がありますが、冒険のロマン自体はかなりポジティブに捉えているのもいい部分でしょう。この映画で冒険を馬鹿にしているのはサイコラドクリフだけなので、そういう意味でもキャラ付けが上手です。

サジェストに吹き替え ひどい と出るくらい不評な田中圭のテイタムの吹き替えですが、実際上手いか下手か聞かれるとまあ下手の側だと思います。

ですがこの映画に関してはそもそもアランというキャラが善人すぎてウザいというキャラ付けなので、わりと下手さとウザさが噛み合ってました。

せっかくサイコラドクリフ小野賢章が演じているので、アクションギャグパートに入るまで見てやってください。結構しっくりきますよ。

 

私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。

バットマン:マントの戦士 最終話の感想/ついに完結第一シーズン。悪の流れは果てしないのか?ブルース・ウェインは自分を見失ったのか?

前回

今週のケープドクルセイダーどうだった?

https://m.media-amazon.com/images/S/pv-target-images/13ede3fbdb7ea1be6e4e353fe81feacb6071a5de70d0a8cc962fc7f81fb97a2f.jpg

しめやかな幕引き。

決してヒロイックさは強くないが、ハードボイルドすぎて腰ぬかす。

最終話、やっぱり尺配分ミスったんじゃないかな~などといろいろ言いたいことはありつつも、ノワールつまりハードボイルドな終わり方としては完璧でした。

JJエイブラムスのバットロボットや、ワーナーが絡んでいるくらいですから、良くも悪くも奇麗にまとまりつつ続編に期待させつつ、続編の出来で評価が揺らぐ着地ではありました。

これに関して私は7と8と9のつく嫌な思い出をフラッシュバックしてしまうため、評価を下げざるを得ないやり方ですが、ともあれシーズン1は現状控えめに言って最高峰です。なんとかの覚醒に比べて…の話は愚痴に終わりがないので、一旦引っ込めておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

デントとバーバラ

10話全体で一番台詞の多いキャラクターでした。

シーズン通して、バットマンをあくまで舞台装置として動かすやり方を最後まで通したと言えますね。

特に、トゥーフェイスの象徴であるコインをバーバラが証拠品からデントに返すシーンは印象深いものでした。何せこのコイン、まだ両面が表のデントのコインですから。

恐らくクインゼルと同様に、彼はまだトゥーフェイスではなくハービー・デントであり、自分を見失いこそしたものの変貌を完了していないということでしょう。

今回のデントは、前回のジキルとハイドっぷりから打って変わって、精神的に参ってぼろぼろの元検事として描かれていました。

硫酸を被って表層に現れたジキルの暴言は控えめに、バットマンやバーバラに、

「正義を信じたけど大きな流れには逆らえない。その道は果てしない」と諦めを語るシーンは、マントを羽織った聖戦士の是非を問い続けたシーズン1の締めくくりに相応しいものでしょう。

脇役たちについて

少し消化不良だなというのが正直な感想です。

中盤で徹底的に掘り下げられたモントーヤも、ストーリー上の役割は結果的にバーバラだけで充分でした。これも続編前提の話作り、エイブラムスの私のそんなに好かない部分ですね。

ブロックとフラスの二人の汚職警官も、ルパート・ソーンの使い走りとしてデント抹殺に動き出すわけですが、違和感のある描写ではありました。

何せ彼ら、前回ではモントーヤと談笑していたぐらいですから。

勿論、ファイアーフライを使った自作自演の手柄作りの一件からして善良な人物でないことはわかりますが、例えば不自然に席を立つシーンが多いとか、そういう補完はシリーズ通してあってくれてもよかったのではないこと思いました。

バットマンのアクション

一か所を除いて、随分とあっさりしていたという印象でした。

前回はトゥーフェイス大暴れに後手後手に回るだけの役回りだった主役のヒーローの活躍が、ラストは港で10人程度の汚職警官とマフィアに陰から殴りかかるだけ。

飽くまで残った善良な人々との関係性構築と、デントの問いかけを受ける役回りでしょう。ただし

電話越しに何か指示をしているソーンの部屋にバタラングが投げ込まれ、このシーンで〆るのは控えめに言って最高でした。

スーパーヴィラン不在に近い世界観において、ハードボイルドに徹した信念は高く評価すべきでしょう。

 

私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

満を持してカメオなんて、どんなジョークだ?

ここまでストーリー連続性ではなく雰囲気作り、ヒーロー、善良であり続け自分を見失わないことに終始したシーズン1でしたが、ついに最終話でやってきました。

MCUだとポスクレあるよの警告ついてからわざと立ってるような捻くれ者増えてないかな?

とにかく、ジョーカーのチラ見せ登場です。

キャスト欄にジョーカー役で武内駿輔というビッグネームがあったので、今後はスーパーヴィランも絡めたストーリーになることでしょう。

ビギンズ*1くらいのさり気ない匂わせが好きなのですが、まあこれはこれで。

*1:下敷きになったイヤーワンのオマージュらしいですね

今ならアマプラ無料、マグニフィセント・セブンの感想/西部劇の原点に立ち返り、画面いっぱいのドンパチを楽しもう。

何を隠そう私、七人の侍も荒野の七人も見ておりません!

デップーウルヴァリンムーランルージュに引き続き存じ上げませんしか言ってませんが、知らないものは知らないんだから知ってるフリをしても仕方がない。

黒沢映画くらいはウソでも知ってるフリをしていないと、さる団体から袋叩きに合い、ハリウッドから来たネズミのカチューシャのエージェントにポリコレダイナシティへの反乱分子予備軍の烙印を受けることは有名ですが、そういう人たちはこんな辺境のブログまでやってこないので心配ないでしょう。

それに、前回の記事に引き続き、この映画は元ネタと元ネタの元ネタを知らないからこそ、インターネットに感想を書き殴る価値があると考えました。

キャラクター/演者紹介

https://filmarks.com/movies/63839

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サム・チザム/デンゼル・ワシントン

流石の存在感。

謎の賞金稼ぎか正義か悪党か。彼がこの映画の狂言回しであり、チーム結成の立役者であり、ビリングの一番上というのも納得のポジションにございます。

ストーリー上の扱い以上に、流石のオスカー俳優。脚本がそうなっているから画面に映っているのではなく、この演技を映すべく脚本も整っていると思わせる力があります。

冒頭の早抜きに始まりアクションシーンにおいても、主役らしく乗馬からの銃撃までやってみせ、彼を弱いと思わせるシーンがひとつもありません。

 

ジョシュ・ファラデー/クリス・プラット

今作の顔は彼という印象をプロモーションなどでぼんやり受けていたので、デンゼル・ワシントン主演というのは見始めてから知りました。

何せスターウォーズ空白期、まったく無名のガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが大ブレイクし、新時代のスペオペの主演として脚光を浴びた彼が西部劇をやるものですから。

スターロードよろしく、棲む世界に合ったそれなりのトラブルを抱えており、チームに参加した理由もギャンブルのカタに取られた愛馬を取り返すためです。あだ名はブルーじゃありません。

彼は冒頭の揉め事からして一番くらいアクションが多く、引き撃ちやフェイントを多用する、イメージと期待に応える立ち回りを演じます。

クリスが西部劇をやるという事実そのものが、この映画のメタ的なあり方を表現していると言えます。

 

グッドナイト・ロビショー/イーサン・ホーク

彼の出演作は見たことがなかったのですが、アクション映画の一本はあとから見ておこうと思わせるぐらいには、グッドナイトは存在感のあるキャラクターでした。

滅茶苦茶わかりやすくフラグを立ててきっちり回収する役回りでもあるので、ある意味では映画の評価を左右する存在かもしれません。

スナイパーという役回りもあり、アクションでの存在感もばっちりです。

 

ジャック・ホーン/ヴィンセント・ドノフリオ

信心深い男だが、先住民の皮を剥いで生活していたばっかりに失業して山に籠っていた熊のような男。ドノフリオの怪演が一度見たら忘れることができません。

特にアクションシーンでの奇抜な活躍が魅力です。

聖書の文言を唱えながら、斧やナイフで銃弾飛び交う中接近戦を試み、一通りドタマかち割ったついでにライフルで迎撃という無茶苦茶ウソっぽい立ち回りを、そのキャラクター性でカバーしています。

 

ビリー・ロックス/イ・ビョンホン

グッドナイトに拾われた一匹狼のガンマン。アジア系なので、ビジュアルに沿ったアクションを行います。そう、ナイフを交えたガン・カタです。

ドノフリオもビョンホンも、この映画の馬鹿馬鹿しい要素に説得力を持たせることに、その演技とアクションの力で貢献したと言えるでしょう。

 

バスケス/マヌエル・ガルシア=ルルフォ

若造枠です。アクションの魅力という点でも他の6人は劣りますし、チームに入った理由もチザムに脅されただけで、印象が薄いと言わざるを得ません。

ですが、映画に不要かと聞かれたらそんなことはなく、若造らしい口の挟み方で老獪な悪党どもの会話に厚みを与えます。

ラストの決戦シーンの無鉄砲で力強い立ち回りは、他のキャラクターの邪魔をするでもなくシナリオを盛り上げる、非常に魅力的なものでした。

 

レッド・ハーベスト/マーティン・センズメアー

絵に描いたようなインディアン枠です。あと3年公開が遅かったら政治で食べてる映画を見る暇がない皆様に袋叩きに合いそうですね。

無論魅力がわけはなく、火矢で鉄砲騎馬隊を迎撃するアクションは役者のがんばりあってのことと思いますし、それはそうと手持ちの拳銃を使いこなせるシュールなシーンも、手練れという印象付けになっていました。接近戦もプレデターのビリーよろしく、ならではの気迫があります。

 

映画の評価は以上です。彼らに魅力を感じるかどうかで視聴を決めるべきです。

というのは言い過ぎにしても、とにかくキャラクターの魅力を前面に出し切った映画です。プロットは原点たちをなぞっているようで、開拓村が襲われ、助けを求めにでかけたヒロインがチザムに出会い、彼が悪党を拾いあげて、街へと帰還し、住民に7人が戦争のための準備をさせ、迫りくる悪党を迎え撃つラスト30分。

ガーディアンズジュラシックワールドで現代のブロックバスターの申し子としての地位を確固たるものとしたプラット出演作だけあって、娯楽としての徹底した画作りが魅力のほぼ全てを担う作品です。

原点をなぞっている部分がどうのという要素も多いにあるようですが、私のように知らない状態で見たほうが一層楽しめるのではないかと思いました。

むしろ尚更に、2作を見ていない不勉強をそろそろ正すべきと思わされる、娯楽性の極みの2時間でした。

 

私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。

 

バットマン:マントの戦士 第九話の感想/ついに最終章前編へ。ブルースはデントを救えるのか?バットマンはこの街の闇を暴く聖戦士か?

前回

https://m.media-amazon.com/images/I/819xVtlZfJL._SL1500_.jpg

どうせ俺のこと雑食映画スコップに飽きてネットにあんま感想転がってないTVシリーズを各話レビューしてインプレ稼ぐ腹積もりだって言うんだろ!ええ!?

失礼、取り乱しました。待ちに待ったトゥーフェイスの登場回なものですから。

雑食映画レビューについては、東宝ゴジラ再上映を突然延期しやがったのでわりとすぐに更新できそうです。週末か土日かな?

そういうわけで、次の瞬間にはネタバレ山盛りです。

もう片方の私がタグも見てない間抜けに気を遣うこたあないと癇癪を起す前に気になる方はどうかブラウザバックをお願いします。

 

 

 

 

 

 

選挙の全てがご破算になった男、残されたジキルとハイドの傷。

今回のアバンタイトルは打って変わって長く、デントが二週間ほど怪我の治療と選挙の出馬断念とで荒れ果てていた現状を描写しています。

そして、ここは少し残念なポイントです。

ブルースが飯に連れ出して沈んだ気持ちを持ち上げてやろうと試みたところ、デントの病んだ心には他の客が彼を嘲る声が聞こえてしまいます。

テーブルにやってきてブルースと何気ないやりとりをするウェイトレスに被害妄想を爆発させた彼は、衆目に硫酸をかけられ醜く溶けたような顔の傷を自ら晒し、騒ぎを起こしたその場を立ち去っています。

いくら追い詰められて壊れるのも秒読みだったとは言え、ブルースが引き金を引いて野に放ってしまったジキルとハイド。

ルフレッドはバットマン咎めますが、彼はデントの隠し事を引き出すため、かつての検事長と同じやり口を使ったまでと苦しい言い訳を述べます。

このヴィラン化のシークエンス自体は凄くいいものでしたが、ひとつだけ気になる点がありました。

これやるならバーバラじゃなくてブルースとのやり取りもっと描いておいてよかったんじゃね?

バットマンに曰くデントの隠し事の追求ですが、察するにここからブルースとデント、バットマントゥーフェイスの対比をやるならば、結果的に前半数話の尺の使い方が少し無駄だったように思えてしまうのが残念です。

よく考えたら重要だけどそこまで実写で出番がなかったトゥーフェイス、今回はじっくりジキルとハイドとして

ダークナイトで登場したことで知名度自体はバットマンヴィラン屈指のトゥーフェイス/ハービー・デントですが、そのダークナイトでは彼が闇に落ちるかどうかが話の争点となっていたわけでトゥーフェイスとしての出番はわずかでした。

バットマンフォーエバーにもあのトミー・リー・ジョーンズ演じるメインヴィランとして登場していましたが、一応世界観のつながりがあるバートン版第一作に登場した同名の人物*1に寄せる気がないだけならまだしも、上っ面をなぞっただけの二面性アピールも相俟って、ジム・キャリーリドラー*2共々あの映画がMrフリーズのほうより嫌いになりかねないノイズと言わざるを得ない要素でした。

その点、今回のトゥーフェイスはシリーズを通して伏線を巡りに巡らせただけのことはあり、しっかりと悪へと変貌する負のカタルシス、やっちまった感が演出できています。

また、映画ではできないこととして、ジキルとハイドのオマージュとして悶え苦しむ彼の姿も、デントとしての出番が8話ぶんあってこその説得力ではないかと思いました。

ずっと求めていたもの!裁きだ!そして今、俺は判事であり陪審員であり死刑執行人となった!

物語のクライマックス、トゥーフェイスの台詞です。

ソーンの「そんなもの、敢えて言うなら…」(復讐だ)という返しも含めて、このシリーズにおけるバットマンへの問いかけ、"マントを羽織った聖戦士"の意味するところは何かというテーマの提示でしょう。

今回は、良心の顔のデントがバットマンに自首を求め、公選弁護人としてバーバラが現れたことで幕引きでした。

クインゼルに引き続き、彼がトゥーフェイスとは劇中で呼ばれていないことも含めて、前述のバーバラとのやり取り意味なくね問題も、いよいよあと一話でどうなるか楽しみです。

 

私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。

 

 

次回

 

*1:バートン版のデントは黒人

*2:これも上っ面だけでキャスティングとキャラ付けのわりに滅茶苦茶雑で期待外れだった

バットマン:マントの戦士 第八話の感想/単発回は続くがいよいよ終幕へ。シーズン終了間際でバトルも一風変わったものに。

前回

今週のケープドクルセイダーどうだった?

逆にここまでローペースならどっしり構えてて期待大!と思いきや…

今回のエピソードは、いよいよ市長選の支持率に困ったデントが移動遊園地を招いて人気取りを画策する最中に事件が起こるというもの。

ここでいよいよジキルとハイドの全貌が露わになると思いきや、前回に引き続きヴィランの襲来は偶発的なもので、デントではありませんでした。

シーズンの畳み方はどうなるんだとも思いましたが、考えてみればあのザ・ボーイズもシーズンの終了エピソードはそんなに急いでやらずラスト1・2話の間にサクっとやっていましたね。

作品そのものがパロディというカラーが一致していると考えれば、この作品もこの進め方が正解なのかもしれません。

ところで、コイントスをして決めてみませんか?あなたがここから先のネタバレを読むか、読まないか。

 

 

 

 

 

 

今回も敵はメタヒューマン!?設定詳しくないとこういう時困る!

私がTVシリーズの感想を書きたがらず、雑食映画感想を並べて喜んでいた理由のひとつがまさにこれですね。

マイナーなキャラとか出てきたらどうしよう…

今回のヴィランは、なんとローティーンとハイティーンの中間ぐらいの背丈の女の子です。ナタリアとしか劇中で呼ばれていないため、コミックでの設定が調べてもあまりピンと来なかったのですが、ナタリア・ミターナット*1というヴィランを、子供に再解釈した人物、ということでいいのでしょうか。

また、前回と同様にDCの世界観における超人、メタヒューマンの定義をよく理解できておりません。

いわば取り外しができるシャザムやランタンは?スーパーマンとか地球外の生命体は?

情報提供をお待ちしております。

こういうのに対応した解説が出回ってくれるからDCEUには期待していたんですけど、今はジェームズガン版が流行るのを待ちましょう。

ともあれ、アクションシーンとしてはデントの友人兼支持者としてブルースが顔を出していたこともあり、バットスーツを着ずのアクションが多く見られました。

バットマンの姿でも子供相手で遊園地の中という事もあり、ゴッサムの街中とは違ったバトルが見られて大満足でした。

ナタリアの説得を試みるブルースの言葉選びが的確にダメでニコニコしてしまいましたし、それに伴った謎の緊張感もあります。

 

 

 

 

 

ナタリアの被害者、無事に生還した子供のふたりのうち、ジェイスと呼ばれていた子がジェイソンならば、ディッキーは恐らくディックでしょう。

ダークナイトライジングぐらいのこのファンサービスの塩梅がいいんだよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

助けがいるなら、代償を払え

デントの招いた移動遊園地に、ルパート・ソーンが現れに取引を持ち掛けます。

「明日の審問の被疑者を不起訴にして欲しい」と

ジェソップと同様に新市長をゆすり続けたい思惑です。

そしてラストシーン、デントは証拠不十分による不起訴処分の申し立てを…

しませんでした。

心なしか晴れやかな表情のデント。しかしトイレにふと入った瞬間に悲劇が。

報復として、二度と出馬できないように顔に硫酸をかけられてしまったのです。

 

 

次回