ひとの感想が聞きたいからまずは自分から書いてみよう

アマプラで見た映画の日記です。すかしたレビューもします。

バットマン:マントの戦士 第七話の感想/ゴードン親子掘り下げ回。ヴィランも出番は少ないけど印象バッチリ。いよいよ終盤か?

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打って変わって既存キャラの掘り下げガッツリ回!ヴィランの名前わかんなかったけどかっこよかった!!

冒頭からして、弁護士と刑事という立場の違いから、「人は行いだけで評価されるべきか」と口論になるゴードン親子。からの暗殺未遂。

この導入のスピード感、このエピソードはこれをやるぞ!といういい意味での分かりやすさがグッとくるシリーズです。本当に。

ネタバレ食らってグツっとくる前にご注意あれ。

 

ゴードンを救え!バットマンが西へ東へ殴打と調査!

ゴードン親子をすっかり味方に引き込むべき人物と判断したバットマンは、ジムの危機に際して警察にできないことをしようと序盤から奔走します。

バーバラのオフィスに侵入して、「関係者に話を聞いた」と情報提供するバットマンですが、今回の彼は悪党を殴打!殴打!調査の数々!

カートゥーン調ですが、雰囲気はしっかりノワールダークナイト以降のそれを上手くかけ合わせたそれに近い本作。

しかし今回の捜査の剛腕っぷりは、アダム・ウェスト版のOPみたいにBOOM!と効果音が画面に出てきそうな、シュールなおかしみがあって楽しめました。

もちろん、それはそうとノワール、こうした捜査のやり方はマーロウからの伝統的なものなので、かっこよさが損なわれたわけではないのが不思議です。

エスチョン?ブラックマスク?ヴィランの名前がわからないので情報求む!

エスチョンはヒーローですし、ブラックマスクはヤクの元締めなので恐らく殺し屋軍団のリーダーとして派遣された今回の彼は違う人物でしょう。

ですが前回も述べた通り、知らないヴィランであっても引き込ませ、物語に登場し、進める歯車としての扱いが本当に上手い!

縦軸に必要な人物はバットマン・ゴードン親子・モントーヤ・デントの4名だけという最初の風呂敷のつつましさが、各単発回の幅広さという面白さに拍車をかけていると思います。

残り3話、次回か次々回で最終章に入って単発回とはお別れでしょうが、それもまた楽しみのひとつです。

 

私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。

 

次回

バットマン:マントの戦士 第六話の感想/バットマンは変則的なヴィランに悪戦苦闘、裏で影が広がるデントの表情が本筋の単発回。

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ちょっとローペースが心配になってきたけど、話はすっかり進んでるし多分大丈夫!!あとヴィランの選出が知らないのばっかで楽しい!

そろそろシーズンを終わらす方向で進めるのかなと思ったけど、まだまだ単発回ガッツリやってていい意味で裏切られたし、これでも話は結果進んでいるのがこの作品の持ち味、上手い作風の組み立て方だなと思いました。

ネタバレは例によって1面にも2面にも。

 

 

 

 

 

まさかのメタヒューマン登場?世界観の広げ方はちょっとひっかかるけど、デントがいよいよ動き出す!

dcの世界観に間違っても詳しいとは言えない私ですから、フラッシュのドラマの知識だけでこれをメタヒューマンと言うのは間違ってるかもしれませんが、今回のヴィランはホンモノの幽霊です。カータースレイドみたいなやつ。

このゴーストライダー、じゃなくて、ジェントルマン・ゴースト/ジェームズ・クラドックはTVシリーズには何度か出演経験のあるヴィランなようですが、如何せん実写しかチェックしない私には初見でした。

恐らく、彼の設定そのものが実写映画の脇役にしては世界観が広がりすぎるし、かと言って他を差し置いて主軸に置けるキャラクターではないからでしょう。

何せホンモノの幽霊、義賊の反対に庶民を標的に窃盗を行う支離滅裂な没落貴族の亡霊ですらからねえ。

今回のバットマンは、そんな悪霊退治に街中を駆け巡っていたため、ルーシャス・フォックスの初登場以外に進展は少なかったと言えます。バットマンサイドはね。

また、本筋とはまったく関係ありませんが、真相に近付いたブルースがバットスーツを取り出しながらいきなりバットダミ声に切り替えてアルフレッドに指示を出すシーンは、おかしさもありましが、変身ヒーロー育ちとしてはシンプルに燃えるシーンでもありました。

1面記事は誰の当選になるか?デントの焦りはいよいよ危険な方向へ

一方、ハービー・デントの物語はひとつの山場を迎えました。

冒頭、労働者階級からの支持率が危うくなってきて焦っていたデントは、人気取りに奔走するのですが、そこで出会うのが前述の善良な魂が主食のほうのゴーストライダー

襲撃された電車で、エリート階級の彼だけが略奪を受けず、結果的にその噂が広まってしまい、状況は最悪に。

ラストシーン、怒って投げつけた自分の候補者ポスターの額が壊れてガラスにヒビが入る演出も、ベタながら非常にいいものでした。

ファイアーフライの回といい、マイナーヴィランの選出による単発回っぽさと縦軸の同時進行が本当に上手な作品です。

スパイダーノワールが楽しみすぎて、映画としては別に面白くないし何ならつまらないと自分で思ってるゴーストライダーを見返す回数が近頃増えていた私には偶然タイムリーでしたし、キアヌ版コンスタンティンをまだ見てないことを思い出させてくれもしました。

 

私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。

 

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バットマン:マントの戦士 第五話の感想/キャラの登場回としてはちょっと期待外れ。だけどキャラの動かし方は今まで以上にイイ!

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ひとつだけひっかかる要素があって肩透かし感はあったけどそれ以外は安定して面白い!

例によってネタバレまみれの薄汚れた記事となっております。

 

 

 

 

 

今回はサブタイトルにある通り、これまでハーリーン・クインゼル名義で登場済みの彼女がハーレイ・クインとして活動を開始する回という趣旨で受け取って視聴を開始したのですが、その要素に関しては正直がっかりしました。

ですが、バーバラとモントーヤがクインゼルと交流があったことを布石として上手く活用していました。

前回のジムに引き続き娘のバーバラもバットマンの評価を改めるきっかけを得たことも、彼女が"神託"を受ける前振りかどうか気になるところです。

そして、予告編の時点で言われてた謎、愛しのプリンちゃんの不在については、今後もまだまだ楽しみにとっておけそうです。

実は最初から悪党でした~にはかなりガッカリ。だけど彼女はクインゼルなのかハーレイ・クインなのか。

今回のアバンタイトルは、強盗を尋問していたバットマンが、そこに居合わせて道路に飛び出した異常行動をしている男を救出するシーンでした。

OPが明けてからすぐに、男の身元を突き止めたバットマンは、業突張りの金持ちたちが全財産を寄付している複数の事例に目をつけて、調査を開始することになりました。

まあ、これがクインゼルの異常な趣味、受け持った金持ちの患者がそうせざるを得ないように精神的に追い詰め、児童演劇のような恰好で監禁し、財産を吐き出させている悪行から出たボロだったのです。

作中の描写で少なくとも3年前からの犯行が、このタイミングに限ってバットマンによって暴かれるのは、いくら古いカートゥーンの画風と言えど、むしろ、画風に甘えず話作りをしっかりやってきた本作にしては少々乱暴に見えました。

しかし、前述したようにこれまでバーバラとモントーヤがクインゼルと交流してきた布石にはしっかり意味を持たせていました。

終盤に、隠れ家に現れたバットマンを出し抜いたクインゼルは、ガスで気絶させた彼を証拠もろとも爆破しようと画策するのですが、逃走の道中でバーバラの車が駐車してあることに気づき、引き返すのです。

そして、今回のラストシーンには悪党の正体を明かしてしまったバーバラに善良なクインゼルとしての別れを、二次会の約束をしていたモントーヤにはドタキャンでさよならの電話をします。

こんな人間味溢れる行動、果たしてあのハーレイ・クインがするでしょうか。

異世界スースクでもイメージ元になっている、マーゴット・ロビー演じる彼女ならしないでもないでしょうが、よく考えなくてもあいつロビン殺したクソアマですし、単独作でも主役なだけでちゃんと極悪人です。

今更私が四苦八苦してプレイしているアーカムアサイラムでもコンティニューポイントがかなり不親切でムカつく女ですし、とにかくジョーカーの女だけあってまぎれもないヴィランなんですよ。

友人のバーバラの存在を察知して引き返した後も、なんとかバットマンを救出される彼女の姿に絆されて、結局仕掛けを解いてしまいます。

そしてなによりも、「ハーレイ・クイン」なんてマスクを張り付けた自警団か西部劇の悪党みたいな名前が登場するのはサブタイトルだけで、今週もずっと作中の彼女は「クインゼル」です。

そう考えると、「この世界にはジョーカーがいないのにハーレイはいる」のではなく、「ジョーカーがいないし彼を診ないうちはクインゼルはハーレイになりようがない」という状態が現状なのではないでしょうか。

10話しかないからそろそろ完全単発回は消滅しそうだけど、バットファミリーが形成されつつあるワクワク感はたまらない。

爆破されたクインゼルの隠れ家からバーバラを救出したのは意識を取り戻したバットマンでした。

ラストシーンだけでなく、バーバラといつものバット籠り声でコミュニケーションを取るシーンが今回は重要で何度か出てきました。

ゴードン親子やモントーヤ、真に善良な人々が報われず痛みを受ける構図が続いていますが、そこに降り立つのはバットエンドか、それともマントを羽織った聖戦士なのか。

その前振りとしてこれは期待せずにはいられません。

6話以降はより連ドラ的な楽しみの期待に拍車がかかります。

というか、俺が見終わってないんだからもう一週間は公式でネタバレっぽいPV出すのやめろよ!おい!

 

私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。

 

次回

バットマン:マントの戦士 第四話の感想/未だヒーローではないマントの男、悪くなり続ける状況に抗う善良な人々

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まだヒーローと認められていないバットマンとゴードンの出会いがイイ!ほかにも知ってるキャラの掘り下げ満載で、しかもゴッサムはろくでもない方向まっしぐらで最高!!

今回のアバンタイトルは、バットマンが警官にも容赦なく暴力を振るうことに業を煮やした市長がついに、大規模な逮捕計画に乗り出すというシンプルなものでした。

しかし、OP明けからここまでの登場人物が出るわ出るわでワクワクしっぱなし!

そろそろ本筋回もやっていいかという頃合いに、いいシナリオできましたねえ!

ネタバレあるよ!ここはゴッサムだからね!

悪くなり続ける状況、そしてバットマンは善良な人々と出会う

OP明け、バットマン逮捕計画のリーダーに抜擢されたのは前々回でキャラ紹介回を貰ったモントーヤ刑事。もちろん、我らがジェームズ・ゴードンもバックアップとは言え若手たちのまとめ役として重要なポジションに就いています。

そして彼らが用いた手段はおとり捜査。日本では違法なくらい強引な手法です。

バットマンを誘い出すため、犯罪者と被害者を路地裏で一芝居打って騒ぎ起こし、彼の活動時間に複数個所で何かが起こればどこかに現れるだろう、というものです。

しかし、これがまるで全然結果が出ない。

ちょっと見かけて頑張って追いかけても、パトカーじゃバットモービルにカーチェイスでかないっこありません。

一方その頃、支持率の行方がバットマン逮捕の是非に委ねられている市長の現状の危うさを見抜いた検事ハービー・デントは、市長選に向けた準備をより一層進めています。

作戦の見直しを検討した警官たちは、犯罪心理学スペシャリストであるクインゼル博士を招聘して、意見を伺います。

博士の分析に曰く、コスチュームを着た異常者、彼と同じような属性の人間がうろついていたほうがより出現率は高いとのこと。

そして、それを聞いたブロックとフラスの二人の刑事は、"ファイヤーバグ"というあだ名の異常者を故意に釈放してしまい…

 

ここまでほとんどあらすじを書いてしまったわけですが、それくらい、これまでのエピソードの要素を拾い集めて、新しいシナリオの起点を作るのが上手かったんです今回!

ゴードンとバットマン初遭遇、ダークナイト誕生前のゴッサムにて。

ブロックとフラスはゴードンも警戒する強引なやり方を厭わない問題児で、しかもファイヤーバグ/ジョセフ・リガーは、担当弁護士のバーバラが脱走を察知して父に即駆け込むほどの異常者でした。

まず、ファイヤーバグのキャラクターの提示が素晴らしい。

ざっと調べてみたところ英語のファン製wikにしか名前がないくらい*1かなりマイナーなヴィランなようですが、ゴーグル越しに路地でラグビーボールで戯れる子供たちを見て、その子供らが火だるまになる光景を幻視するという異常な精神性を発揮します。

これだけで今日まで彼を知らなかった私にどんなキャラか伝わってくるんだから大したもんです。1話完結のヴィランの提示としてこの上ないでしょう。

そしてバットマンとゴードンの遭遇、映画でもおなじみの重要な要素ですが、まず初遭遇は夜中に警察署に忍び込んで捜査本部を盗み見ていたバットマンと鉢合わせで、これは勿論チェイスになります。

次がバグの起こしたラストの火事の最中、今のバットマンは復讐者なので別に進んで人助けはしませんが、徐々に巻き込まれた人との遭遇率は上がり、ブルース・ウェインの良心に基づいて通る人通る人を助けていきます。

そこでゴードンとの再遭遇!以前現場にいたときにこのあたりで土地勘も養っていたゴードンは、バットマンを誘導して逃げ遅れた人々を救助します。

ヒーローと一般人の少しずつ芽生えるマスク越しの友情、さいっこう…

今回だってもちろん状況が悪化するため、好き放題した挙句証拠隠蔽にバグを射殺したブロックとフラスは英雄扱いされる等悪い事ずくめで、ラストシーンにゴードン親子とモントーヤはバーでうなだれていました。

この、真に善良な人たちにヒーローが必要になる前フリの上手さですよ!

続きが気になるなあ本当に?あ?全話公開?

俺の中では俺が見ようと思った夕方ごろに1話ずつ公開されてるアニメなの!

 

私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。

今ならアマプラ無料、ムーラン・ルージュ(2001)の感想/急に歌いだすおかしさを厭わない、ミュージカル不慣れにこそ面白い映画

何を隠そう、私特定の俳優の主演映画の評価が甘くなります!

まあ、コン・エアーをニコラスケイジがダイハード1・2してるから最高と宣うくらいなもんですから、お察しの通りです。

特に、このブログを始めた動機がファントム・メナスの再上映ということもあり、スターウォーズ1・2・3*1の出演者、というかユアン・マクレガーの出演作には滅茶苦茶甘くなります。

無論他の出演者にもかなり甘め採点になりますが、ヘイデンはそれほど出演作の多い俳優ではありませんし、リーアムは妙なアクション映画ばっかり出てるせいで甘い評価をしようがありません。

小さい頃から見ていたブロックバスター大作の主要な出演者で、評価にそれなりの見識が要求される作品、所謂芸術映画に顔を出すことが多い俳優は、ユアン・マクレガーマイケル・キートン、片手で数えられる程度になってしまいます。

また、ミュージカルに関する知識や鑑賞経験も非常に浅く、学生時代に見た四季のキャッツが最後で、それも行事か親戚のツテか思い出せない程度です。

あらすじ

https://filmarks.com/movies/1014 より引用

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作家を志す貧しい若者クリスチャンは、親の反対を押し切ってパリへと上京した。

愛の経験がない自分に愛の物語が書けるのかと苦悩していたところ、画家のドゥールーズ一派に見出され、経営状況の芳しくない劇団に足を踏み入れた。

劇団長のジドラーは看板娘のサティーンの次のパトロンを探しており、劇の最中に彼女に次の男となるウースター公爵を指示した。

だが、手違いでサティーンは公爵とクリスチャンを勘違いしてしまい、彼とほとんど同衾してしまう。

公爵にも知れた公然の秘密を必死に伏せながらも、歌劇「ムーラン・ルージュ」は無事に公演できるのか、そして、徐々に恋に落ちていくクリスチャンとサティーンを見つめる公爵の思惑はどこへ向かうのか…

この映画のここが面白い

急に歌いだしたって問題ない劇を作る劇、公然の秘密の恋!そしてユアンが悲哀の別れの演技をもうやってる!!!

「公然の秘密の恋」で「悲劇的に終わる愛」をユアンがやってるだけでもう大満足なんですが、そうしたゴジラが出てる映画は基本10000000点加点みたいなふざけた評価基準は置いておいても、この映画普通に面白いです。

まずは急に歌いだすという、ミュージカルが日本人ウケしないとされる大きな要素についてですが、これはもう作品の雰囲気で違和感のないものとなっております。

何せ劇作家と女優が主役ですし、脇役にしてもドゥールーズやジドラーなどの強引ながら人間味に溢れるキャラ付けでクリスチャンをストーリーに巻き込む様子が、

「この人たちならまあここで歌いだすだろうな」と思わせる要素になっています。

劇団員でないウースター公爵がほとんど歌唱することないことも鑑みると、恐らく意図的にやっているのかと思います。

例によって、私の大好きな汚い貧乏な街をサイケデリックに描く美術の好みもあり、大変満足できる映画でした。

とは言えミュージカルに関する基礎知識が如何せん欠落しているものですから、間違った認識は星の数ほどあるでしょう。あるでしょうが、無知な私がこう思ったからこそ普段ミュージカルを見ない人も楽しめる映画なのではないかと思いました。

まあこれ、ユアンマクレガー主演って書いてなかったら絶対見ないジャケ買いだけど、そういうきっかけってオールジャンル映画の見識を広げたいときに結構大事なもんですから。ねえ。

 

私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。

 

*1:プリクエルって言い方はシークエルを思い出して嫌だからしない

バットマン:マントの戦士 第三話の感想/キャットウーマンが現れて浮き彫りになる、復讐者ブルース・ウェインとバットマンのオリジン

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今回のも続きめっちゃ気になるしキャラも増えておもろい!!

キャットウーマンの初登場回なのはタイトルでわかりきったことでしたが、正直実写シリーズの全部のバースに登場済みな彼女は、実写しか見ていない自分にはロビンより定番のキャラなので…

と、思っていたらまさかのあの人登場。しかもキャットウーマンをここで出すシナリオ的な意味合いもばっちり。

話も引き込まれてヒーローがかっこいいってズルじゃないの?

あと、ネタバレは例によって含むもんで後からそっちをズルって言われても困るからよろしくね。

いつも以上に軽薄なセリーナが呼び起こしてしまうブルース少年が心を殺した日の思い出!そこに絡ませるキャラのチョイスがたまんない!

今回のセリーナ・カイル、キャットウーマンは、貧しい育ちが故に窃盗に手を染めるが、飽くまで義賊としての活動に信念を持ち、バットマンと出会いヒーローとなっていく…

ではありません。

父親が脱税で逮捕されたことで自暴自棄になり、公然の秘密同然の窃盗を繰り返すゴッサムの堕落した人間の一人でしかないのです。そう、今回のヴィランです。

キャットウーマンになる経緯も、新聞で見かけたバットマンに影響を受け、一瞬の間に作り上げたコスチュームで犯行に至る、つまり常習犯の手口がマイナーチェンジされただけのことなんです。

また、このあまりにも堕落したキャットウーマン誕生のシーンも秀逸です。

新聞記事からバットマンを見出し、コスチュームをメイドに嫌々作らせて、そのまま彼女が新聞記事になるというものです。

この作品の作風、クラシカルなTVシリーズアニメオマージュを活かした、極めてテンポの良い描写で仕上げております。

ただなぞるだけでなく、昔の作品の良さを今作の持ち味に転用しているのは素晴らしいですね。

クレイフェイスと違い、恐らくキャットは再登場するでしょうが、今回は一旦の逮捕で済ましたのもTVシリーズの構成として非常に好感が持てます。

復讐者ブルース・ウェインを描く第三話、あと相変わらずOP入りがすんごい。

冒頭のシーン、窃盗の常習ともみ消しが公然の秘密となっているセリーナとブルースが会話していたのが、ゴッサムの富豪たちが各々寄贈した宝石の展覧会です。

その会場のウェイン家からの寄贈品の前で「こんな宝石をイーストエンドでつけて歩いてるから襲われるんだ」と毒づいていた新聞記者を、ブルースはいきなり殴り飛ばします。

ここで超かっこいいノワールなOPがどーん!まってまって!

それってマーサ・ウェインのことでしょ!とリアクションを取る暇もなく、OP明けにブルースのカウンセリングをしている担当医の名前はなんとクインゼル博士。

待って待って!最高かよ!キャットウーマンだけの回じゃ期待できないけどこれは話が変わるぞ!

ここまで3分もかかっていません。

素晴らしいのは、クインゼルとの会話でウェイン夫妻殺害の経緯を説明することで、バットマンを知らない人にはもちろん、私のように中途半端に知識があるから答え合わせが欲しくなるオタクにも応えてくれています。ありがてえ。

また、この冒頭を布石として、幼いブルースの悲しき過去がしばしばフラッシュバックしつつ、それが明けたら軽薄なキャットの窃盗シーンを移すシナリオ運びの上手さがたまりません。

そして最後の回想で、両親を殺害される悪夢にまたしてもうなされて目覚めたブルースは、アルフレッドに提案するのです。

「悪党に罪を償わせる手伝いをしてほしい」と

今回は前回とは打って変わって、キャットとハーレイクインの初登場ということもあり縦軸重視でしたが、単発回として見ても、バットマンのオリジンの提示というだけでお腹いっぱいです。

サプライズ気味な登場になったクインゼルも、母性本能的にも見える接し方でブルースを労わって、「私だけがわかってあげられる」と口にする危うさが今後の展開を暗示していてオタクにはたまりません。

そんなわけで、今夜も大満足の第三話、10日続くか不安ながらも楽しめました。

 

私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから

 

次回

バットマン:マントの戦士 第二話の感想/ノワールの雰囲気ばっちり、さっそく引き込まれる単発回。

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今日のもめちゃくちゃおもろい

世界観のお披露目の深堀りや、一話完結らしいキャラクターの動き、本筋の一年アニメばりのいい意味での動かなさ、静かさがたまりませんでした。

一応、レビューのテイはアレして、節ごとにどこがよかったか書きますが、書きますけどね!バットマンがかっこいいんだわ!

犯人の名前とか登場ヴィラン書いちゃうからネタバレ注意でよろしくどうぞ。

2話だからいきなりOP入っちゃうもんね?その構成わーかってるねえ!

まず目を引いたのは、今週の被害者が事件に遭遇するところではいOPドーン!

わずか30秒!これです!この、モノクロなOPムービーのかっこよさ、ノワールすなわち探偵小説の感じをこれでもかとこれでもかと演出しております!!!

それだけでも大満足なのですが、OP明けはさっさくブルースウェインが被害者に最後に出会った人物としてモントーヤという女性警官に取り調べを受けるシーンです。

これがまたかっこよくって、ブルースはいつもどおりちゃらんぽらんなで嫌な金持ちとして接して、挙句に買収までもちかけますがモントーヤはそれを拒否。

ここまでがバットマンの活動として必要な、汚職に屈しない警官探しと、彼女に盗聴器を取り付けるという二つのプロセスだって言うんだからたまりません。

今回はこのモントーヤの初登場回で、キャラ紹介も兼ねて彼女がほぼ全編で捜査を行います。バットマンヴィランの格闘がある種デウス・エクス・マキナ的な側面も抱えています。

しかしそうした脚本構成も、30分に探偵モノを収めつつヒーローを出すという目的を果たす材料として逆算されているのかキレイにまとまっていました。

一方で、バーバラとデントの口論もしっかり進展しており、特に今回のハービー・デントはエリート街道を狙う俗物として描かれることが強調されていた点も興味を引きました。

世界観はハードボイルドな1940年代前後風でほぼ確定、それが最高。

前話は世界観紹介やバットトンチキメカの登場でそれどころではありませんでしたが、

今回はモントーヤ刑事の捜査、バットマンの暗躍も相俟って、世界観がフィリップ・マーロウがハードボイルドを突っ張った1940年代後半か、バットマンが活動を開始した1939年あたりの年代をベースにしたものとはっきりしました。

捜査内容が女優の殺害ということもあり撮影現場や作中でアルフレッドが見ている映画、黒電話みたいな小物まで細かく提示されていたので、恐らく間違いないでしょう。

もうその世界観作りに成功しているだけでノワールモノとして最高なんです。

付け加えて言うならば、バットマンの作品として嬉しいのは、TVシリーズの尺を活かしてブルースウェインとバットマン、どっちがマスクでどっちが素顔なのかを改めて描いてくれていること。

アニメーション的な都合もあるかもしれませんが、自宅ではほぼスーツを着っぱなしでアルフレッドにも食事くらいしろと窘められる怪物と、遊び人ブルースウェインの二面性、これぞヒーローですよ。

トリックに関しては、ミッションインポッシブルのあれみたいに顔をぐにゃぐにゃ変えられるアレが軸になっているので、ナゾとしてはチャチいと思われるでしょう。

いや、ハードボイルドってそういうんじゃないの!犯罪者と探偵の在り方の対比、かっこよさが大事なんだよ!マーロウだって出たときは高尚でもなんでもない今で言うラノベかなろうだよ!けど普遍的にかっこいい!かっこいいでしょ!

さておき、犯罪者とバットマンの不気味さは見事で、今回のヴィランクレイフェイスは絶賛放映中の異世界スーサイドスクワッドにも登場しているキャラなのですが

こっちも毎週楽しみにしてる

あまりのキャラクターの違いに、ベイジル・カルロの名前を見終えてから検索するまで、そうとわかりませんでした。異世界スースクのほうもそこそこ大きめのアレンジを加えているのですが、同時期の作品で同じキャラでここまで差が出るのは大したもんです。俺が頭スッカスカなだけ?それはね、うふふ。

 

そんなわけで、ここまで書いておいて結局全10回でやるのかどっかで何話かまとめて書くのかも不確かなこのシリーズ、第二話の感想でした。

 

私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。

 

 

次回