何を隠そう私、七人の侍も荒野の七人も見ておりません!
デップーウルヴァリンとムーランルージュに引き続き存じ上げませんしか言ってませんが、知らないものは知らないんだから知ってるフリをしても仕方がない。
黒沢映画くらいはウソでも知ってるフリをしていないと、さる団体から袋叩きに合い、ハリウッドから来たネズミのカチューシャのエージェントにポリコレダイナシティへの反乱分子予備軍の烙印を受けることは有名ですが、そういう人たちはこんな辺境のブログまでやってこないので心配ないでしょう。
それに、前回の記事に引き続き、この映画は元ネタと元ネタの元ネタを知らないからこそ、インターネットに感想を書き殴る価値があると考えました。
キャラクター/演者紹介
視聴ページはコチラ
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0D5BTLMBQ/ref=atv_dp_share_cu_r
サム・チザム/デンゼル・ワシントン
流石の存在感。
謎の賞金稼ぎか正義か悪党か。彼がこの映画の狂言回しであり、チーム結成の立役者であり、ビリングの一番上というのも納得のポジションにございます。
ストーリー上の扱い以上に、流石のオスカー俳優。脚本がそうなっているから画面に映っているのではなく、この演技を映すべく脚本も整っていると思わせる力があります。
冒頭の早抜きに始まりアクションシーンにおいても、主役らしく乗馬からの銃撃までやってみせ、彼を弱いと思わせるシーンがひとつもありません。
ジョシュ・ファラデー/クリス・プラット
今作の顔は彼という印象をプロモーションなどでぼんやり受けていたので、デンゼル・ワシントン主演というのは見始めてから知りました。
何せスターウォーズ空白期、まったく無名のガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが大ブレイクし、新時代のスペオペの主演として脚光を浴びた彼が西部劇をやるものですから。
スターロードよろしく、棲む世界に合ったそれなりのトラブルを抱えており、チームに参加した理由もギャンブルのカタに取られた愛馬を取り返すためです。あだ名はブルーじゃありません。
彼は冒頭の揉め事からして一番くらいアクションが多く、引き撃ちやフェイントを多用する、イメージと期待に応える立ち回りを演じます。
クリスが西部劇をやるという事実そのものが、この映画のメタ的なあり方を表現していると言えます。
グッドナイト・ロビショー/イーサン・ホーク
彼の出演作は見たことがなかったのですが、アクション映画の一本はあとから見ておこうと思わせるぐらいには、グッドナイトは存在感のあるキャラクターでした。
滅茶苦茶わかりやすくフラグを立ててきっちり回収する役回りでもあるので、ある意味では映画の評価を左右する存在かもしれません。
スナイパーという役回りもあり、アクションでの存在感もばっちりです。
ジャック・ホーン/ヴィンセント・ドノフリオ
信心深い男だが、先住民の皮を剥いで生活していたばっかりに失業して山に籠っていた熊のような男。ドノフリオの怪演が一度見たら忘れることができません。
特にアクションシーンでの奇抜な活躍が魅力です。
聖書の文言を唱えながら、斧やナイフで銃弾飛び交う中接近戦を試み、一通りドタマかち割ったついでにライフルで迎撃という無茶苦茶ウソっぽい立ち回りを、そのキャラクター性でカバーしています。
ビリー・ロックス/イ・ビョンホン
グッドナイトに拾われた一匹狼のガンマン。アジア系なので、ビジュアルに沿ったアクションを行います。そう、ナイフを交えたガン・カタです。
ドノフリオもビョンホンも、この映画の馬鹿馬鹿しい要素に説得力を持たせることに、その演技とアクションの力で貢献したと言えるでしょう。
バスケス/マヌエル・ガルシア=ルルフォ
若造枠です。アクションの魅力という点でも他の6人は劣りますし、チームに入った理由もチザムに脅されただけで、印象が薄いと言わざるを得ません。
ですが、映画に不要かと聞かれたらそんなことはなく、若造らしい口の挟み方で老獪な悪党どもの会話に厚みを与えます。
ラストの決戦シーンの無鉄砲で力強い立ち回りは、他のキャラクターの邪魔をするでもなくシナリオを盛り上げる、非常に魅力的なものでした。
レッド・ハーベスト/マーティン・センズメアー
絵に描いたようなインディアン枠です。あと3年公開が遅かったら政治で食べてる映画を見る暇がない皆様に袋叩きに合いそうですね。
無論魅力がわけはなく、火矢で鉄砲騎馬隊を迎撃するアクションは役者のがんばりあってのことと思いますし、それはそうと手持ちの拳銃を使いこなせるシュールなシーンも、手練れという印象付けになっていました。接近戦もプレデターのビリーよろしく、ならではの気迫があります。
映画の評価は以上です。彼らに魅力を感じるかどうかで視聴を決めるべきです。
というのは言い過ぎにしても、とにかくキャラクターの魅力を前面に出し切った映画です。プロットは原点たちをなぞっているようで、開拓村が襲われ、助けを求めにでかけたヒロインがチザムに出会い、彼が悪党を拾いあげて、街へと帰還し、住民に7人が戦争のための準備をさせ、迫りくる悪党を迎え撃つラスト30分。
ガーディアンズやジュラシックワールドで現代のブロックバスターの申し子としての地位を確固たるものとしたプラット出演作だけあって、娯楽としての徹底した画作りが魅力のほぼ全てを担う作品です。
原点をなぞっている部分がどうのという要素も多いにあるようですが、私のように知らない状態で見たほうが一層楽しめるのではないかと思いました。
むしろ尚更に、2作を見ていない不勉強をそろそろ正すべきと思わされる、娯楽性の極みの2時間でした。
私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。