どうせ俺のこと雑食映画スコップに飽きてネットにあんま感想転がってないTVシリーズを各話レビューしてインプレ稼ぐ腹積もりだって言うんだろ!ええ!?
失礼、取り乱しました。待ちに待ったトゥーフェイスの登場回なものですから。
雑食映画レビューについては、東宝がゴジラ再上映を突然延期しやがったのでわりとすぐに更新できそうです。週末か土日かな?
そういうわけで、次の瞬間にはネタバレ山盛りです。
もう片方の私がタグも見てない間抜けに気を遣うこたあないと癇癪を起す前に気になる方はどうかブラウザバックをお願いします。
選挙の全てがご破算になった男、残されたジキルとハイドの傷。
今回のアバンタイトルは打って変わって長く、デントが二週間ほど怪我の治療と選挙の出馬断念とで荒れ果てていた現状を描写しています。
そして、ここは少し残念なポイントです。
ブルースが飯に連れ出して沈んだ気持ちを持ち上げてやろうと試みたところ、デントの病んだ心には他の客が彼を嘲る声が聞こえてしまいます。
テーブルにやってきてブルースと何気ないやりとりをするウェイトレスに被害妄想を爆発させた彼は、衆目に硫酸をかけられ醜く溶けたような顔の傷を自ら晒し、騒ぎを起こしたその場を立ち去っています。
いくら追い詰められて壊れるのも秒読みだったとは言え、ブルースが引き金を引いて野に放ってしまったジキルとハイド。
アルフレッドはバットマンを咎めますが、彼はデントの隠し事を引き出すため、かつての検事長と同じやり口を使ったまでと苦しい言い訳を述べます。
このヴィラン化のシークエンス自体は凄くいいものでしたが、ひとつだけ気になる点がありました。
これやるならバーバラじゃなくてブルースとのやり取りもっと描いておいてよかったんじゃね?
バットマンに曰くデントの隠し事の追求ですが、察するにここからブルースとデント、バットマンとトゥーフェイスの対比をやるならば、結果的に前半数話の尺の使い方が少し無駄だったように思えてしまうのが残念です。
よく考えたら重要だけどそこまで実写で出番がなかったトゥーフェイス、今回はじっくりジキルとハイドとして
ダークナイトで登場したことで知名度自体はバットマンのヴィラン屈指のトゥーフェイス/ハービー・デントですが、そのダークナイトでは彼が闇に落ちるかどうかが話の争点となっていたわけでトゥーフェイスとしての出番はわずかでした。
バットマンフォーエバーにもあのトミー・リー・ジョーンズ演じるメインヴィランとして登場していましたが、一応世界観のつながりがあるバートン版第一作に登場した同名の人物*1に寄せる気がないだけならまだしも、上っ面をなぞっただけの二面性アピールも相俟って、ジム・キャリーのリドラー*2共々あの映画がMrフリーズのほうより嫌いになりかねないノイズと言わざるを得ない要素でした。
その点、今回のトゥーフェイスはシリーズを通して伏線を巡りに巡らせただけのことはあり、しっかりと悪へと変貌する負のカタルシス、やっちまった感が演出できています。
また、映画ではできないこととして、ジキルとハイドのオマージュとして悶え苦しむ彼の姿も、デントとしての出番が8話ぶんあってこその説得力ではないかと思いました。
ずっと求めていたもの!裁きだ!そして今、俺は判事であり陪審員であり死刑執行人となった!
物語のクライマックス、トゥーフェイスの台詞です。
ソーンの「そんなもの、敢えて言うなら…」(復讐だ)という返しも含めて、このシリーズにおけるバットマンへの問いかけ、"マントを羽織った聖戦士"の意味するところは何かというテーマの提示でしょう。
今回は、良心の顔のデントがバットマンに自首を求め、公選弁護人としてバーバラが現れたことで幕引きでした。
クインゼルに引き続き、彼がトゥーフェイスとは劇中で呼ばれていないことも含めて、前述のバーバラとのやり取り意味なくね問題も、いよいよあと一話でどうなるか楽しみです。
私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。