自宅にLDで名作映画転がってるような環境で育って、イーストウッドがかっこいいという刷り込みがされていないわけもありません。
ドル箱三部作はもちろん、西部劇については致死量の精神的刷り込みがされており、現に彼らのかっこよさは既に何度か当ブログでも取り上げたジャンルでございます。
もちろん、このジャンルを語るうえで欠かせない名優、クリント・イーストウッドの活躍も幼少期から後追いを続けております。
かの三部作では続夕日のガンマンがお気に入りですし、ダーティハリーも一通り鑑賞済です。監督業も手掛けるようになった後の作品では「ペイルライダー」の渋くて静かなかっこよさには相当やられてしまい、今でもお気に入りの一本です。
「アメリカン・スナイパー」「硫黄島からの手紙」「ハドソン川の奇跡」など、21世紀以降のドキュメンタリー監督作も概ねチェックしました。
そんな生きる伝説の2024年10月現在最後の監督・主演作について、今回は感想を述べたいと思います。
あらすじ

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https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B09S5CDBMX/ref=atv_dp_share_cu_r
マイク・マイロ(演:クリント・イーストウッド)は、かつて名を馳せるも、事故で競技人生を断念して身持ちを崩したロデオのカウボーイ。
競走馬の調教で日銭を稼ぐなか、雇い主のハワードから「メキシコにいる虐待されていそうな息子を連れ出して欲しい」という、犯罪同然の依頼を持ち掛けられる。
ローンのため、やむなく承諾したマイロ。ハワードの息子ラフォは、マフィアを仕切る母レタの放蕩な生活に嫌気が差し、闘鶏で日銭を稼いでいた。
テキサスのカウボーイ生活を餌に言いくるめたラフォを連れて、レタの部下や警察を振り切って逃げるマイロ。当初はうまくいくかに見えた逃走も、道中で足を盗まれ、とある田舎町で足止めを食らってしまう。
古びた礼拝堂で寝泊まりをしながら、食堂を経営する未亡人に匿われた二人。そこで彼らは、生きることとは何か、己の居場所はどこか、見つめ直すことになる。
この映画のココが面白い!
イーストウッドが佇むだけでかっこよくてズルいし、台詞の一つ一つがキャリアを振り返るメタなのに、人間ドラマとして成立してて不思議でおもろい!!!
落ちぶれた男を演じる彼は、その実全然落ちぶれたように見えません。老いてなお映画人生を生き続ける彼の在り方、それがこの映画の骨子とも言える、イーストウッドのキャリアの振り返りです。
マイロの語る台詞のひとつひとつは、まさにイーストウッドのこれまでを示唆しているようにしか思えません。ラフォを諭すシーンが構成上多いこともあり、尚更我々への語り掛けに見えます。これが勘違いだとしてもかっこいいのでOKです。
だからといって、それだけの映画かと言えばそうではありません。ラフォを連れて、移動手段を失うまでの過程は王道のロードムービーとして楽しめます。
第二幕とも言うべき、田舎町で足止めを食らって以降の住民たちとのやりとりも素晴らしいです。
最初には、メキシコ語を理解しないマイロは食堂の未亡人マルタとの会話をラフォとの通訳で行います。字幕が表示されないこともあり、なんだかテンポが損なわれた印象を持ちます。
マルタの子供たちのうち一人に、実は聴覚に障害がある女の子がおり、マイロが彼女と手話で会話をしてから、マルタと直接のコミュニケーションが徐々にとれるようになるのです。
ここで出てきためちゃくちゃかっこいい台詞が、本記事のタイトルにも使わせて頂きました「生きてる中で身につくこともある」です。
他にもかっこいい台詞まみれですが、映画のストーリーを転がすついでに、ラフォへの語り掛けを通してイーストウッドのキャリアを振り返る構成がとにかくかっこよくてやばいです。かっこいい人間ドラマでロードムービーなんです。
それでいて、手話のシーン以降にマルタの台詞に字幕が出るようになるなど、意味のないシーンは極めて少なく、104分というおさまりのいい構成になっています。
ラストシーンまでこんなカウボーイの恰好をしていて一回の引き金も引かないあたり、しっかり人間ドラマできっちりかっこいい、是非オススメの一本です。
私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。