はじめに
わたくし、アメコミ詳しくありません!
MCUは流行ってるらしいからとレンタルで追いかけ始めて、
映画館でリアルタイムに追いついたのはシビルウォーあたりからでした。
DCも、いざユニバース始まるぞとお触れがあったもんで、DCEUのスケジュールについてく構えでシャザム1くらいまではきっちり追ってましたが、まあね?
ユニバースを把握するための知識の追跡はできるけど一次ソースを保有するほどの情熱はない、といったところでしょうか。
アメコミ買う金多分ゴジラとウルトラマンになっちゃうからゆるして…
ですがレビューをする以上、ある程度原作はこうで改変があってだとか、これは何回目のリブートで制作側にはユニバース化の思惑があってという言及をこの手のジャンルで避けることはできません。ご容赦くださいませ。
今回に関してはシェイプオブウォーターまだ見てないことのほうが致命的な気もするけど
VOD時代にリブートまみれがわかりづらいんだよ2000年代のアメコミ映画!
さて、この作品の立ち位置、というか何の映画化なのかという問いを明確にせねば話は進まないでしょう。
普段ヒーロー映画を見てない人は未だにアメイジングじゃないほうと3がなかったほうとアベンジャーズのほうのスパイダーマンの区別がつかないでしょうし、ヘルボーイもそういう位置づけにあります。
ダークホースコミックが原作権を持つこのヘルボーイという作品は、2004年にギルレモ・デル・トロのメガホンで一作目が制作され、直接の続編としてゴールデン・アーミーが2008年に同じスタッフの手によって世に放たれ、2019年にスタッフが全然違うけどまったく同じタイトルのヘルボーイが公開されいます。
そう、今回レビューするのはデルトロ版の二作目です。
しかも私一作目知りません。
なんでそんないい加減なことするのかと聞かれたら、
なんでアマプラにデルトロ版の1作目だけないんだよふざけんなって怒ります。
ですがどうか安心してください。
この二作目、これだけでハイパー大満足のいい娯楽作です。
追伸
ヘルボーイ今度もう一回リブートされます。
あらすじ
ナチスのどさくさで地獄から人間界に転げ落ちた悪魔の子ヘルボーイは、サンタを待ちわびて寝られないクリスマスイブの夜に、養父の教授からおとぎ話を聞かされて寝かしつけられていた。
その昔、魔物の住む世界を侵略して回る人間の蛮行を悲しんだエルフの王にとあるゴブリンから提案がなされた。
彼が齎した設計図によって"黄金軍団"と呼ばれる心無いブリキの軍団が創られ、人間たちの侵攻はかくして阻まれたのだ。
しかし、黄金軍団のあまりに大きすぎる力、粗暴で心無い戦い方に心を痛めた王は停戦を求め、人と魔物の世界を分かち、森に消えゆくとともに黄金軍団を制御するための王冠を3つに分ち1つを人間界に残した。
数十年後、超常現象調査防衛局(BRPD)のエージェントとして活躍するヘルボーイは、レッドのコードネームとともに暴れまわり、魔物の存在を隠したい上層部の頭痛の種となっていた。
とある日のミッションで、歯を食い破る妖精に荒らされたオークション会場に訪れた一行はイナゴのような彼ら妖精に苦戦するあまり、ついに悪魔たちの姿を市民の下に晒してしまう。
テレビが自分の話題で持ち切りになっていい気になるレッドだが、実はそのオークションに黄金軍団を率いる王冠のかけらが出品されており、歯のバケモノを放った黒幕がエルフ王の実子であるヌアダ王子であることをまだ知らない─
この映画のここが面白い
ヘルボーイと仲間たちのビジュアルの圧倒的説得力!エルフたち魔物もとにかく見たら圧倒されるデルトロの美術!色んな世界を動いて回ってインディみたいな冒険活劇でとにかく楽しい!!
わざわざ2だけ見てレビューを書いたのはとにかくこれです。
デルトロ映画の美術はやっぱすげえわ。
俺シェイプオブウォーターまだ見てないけど。
この美術が凄いってのは結構ヒーロー映画において重要な要素で、彼らがどういったキャラクターか示すためにいちいち台詞を使わないで済むというテンポ面で無視できない重要な役割を果たすんですよね。
バットマン(1989)やスパイダーマン(2002)なんかも、そのへんが得意なティム・バートンやサム・ライミの得意分野が発揮されたいい例であり、この映画もそれにあたります。
また、2であることから、トーマス・ウェイン夫妻が暴漢に襲撃されるところとか、ベンおじさんがやっぱり暴行を受けて遺言を残すという、ヒーロー映画の必要なんだけど本家ですら扱いに困ってる要素をすっ飛ばして映像を楽しめるのもいい部分でしょう。
無論、前作で説明したからいいでしょ?って態度ではなく、初登場のシーンのちょっとしたコミュニケーションや戦闘シーンで彼らがどういう能力を持っているのかすぐにわかってしまいますし、それを成しているのがやはり美術面の精巧さの手柄でしょう。
また、最初の戦闘シーンである、ニューヨークのオークション会場に放たれた歯を食い破る妖精退治のシーンに始まり、エルフ城、ハリポタみたいにトロールが裏通りに隠した市場、黄金軍団が眠るアイルランドの山間の遺跡まで、とにかくビジュアルがすごくって見てて飽きない!
ブレイド三部作やホビット三部作に参加するデルトロですから、こういう異形のものたちで動かす話の運び方が上手なんでしょう。
wikipediaの記述に曰く監督の趣味で原作にない要素なのに突っ込まれたちょっとしたクトゥルフっぽさも相俟って、全編クリーチャーに浸れる素晴らしい作品です。
味方だけでもムキムキ不摂生悪魔・魚人・全身から火が出る美女・幽体離脱ができる体を持たない宇宙服男など、バケモン揃いで見てて飽きません。
強いてケチをつけるなら、メインシナリオの進行がテンポよすぎてヘルボーイが民衆に掌返されるシーンがちょっと強引っぽく見えるのと、
一応続編なので「これって前作で解決したことなのかな?」「ここの人間関係の些細なぎくしゃくは前作と地続きなのかな?」などと思うシーンがなくもないくらいでしょうか。
クリーチャーとすぐそこある魔界を西へ東へデビルでインディな映画でした。
ファンタジーと冒険とクリーチャー、どれかひとつが好きなら是非見てください。
今ならアマプラ無料。
私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。