主演最新作「ライド・オン」に便乗してあわよくば閲覧数を伸ばしたいとかそういうんじゃないから誤解しないで欲しい。
ジャッキー・チェンの最新作、そして集大成を掲げた「ライド・オン」が5/31に公開されました。
休日に細かい予定が立て込んでる関係で劇場できっちり時間を取ることができない私は残念ながら見に行けていません。好評なようですから、イーストウッドのようにキャリアの終着駅を延線し続けるかもしれないという期待と不安を除けば、手放しに見に行く価値のある一本でしょう。
ですが、私がこの映画を鑑賞するのであればそれがいつであっても解消したい不安があります。ジャッキーの映画そんなに本数見られてないんですよね。
酔拳2作、ラッシュアワー2作、リメイクのほうのベストキッドをTV放映で見たくらいなのです。新作公開というこの機会、劇場に行くかどうかじゃなくたって過去の名作をチェックするには今しかない!
そんなわけで今回の一本がコチラ、ポリス・ストーリー/香港国際警察です。
あらすじ
麻薬組織の元締め、クーを逮捕するために香港警察は大規模な作戦を展開した。
ジャッキー演じるチェンもまた作戦に参加し、民家スレスレの銃撃、逃走のため強奪されたバスにぶら下がるなどの大立ち回りを演じつつ逮捕に貢献した。
しかし、公判にいざ事件を持ち込むと証拠不十分につき思うように進まない。
刑事たちは一計を案じ、クーの秘書であるセリーナを釈放し、検察側の証人として証言台に向かわせる作戦を立てた。
しかし公判当日まで黙っているクーではない、セリーナに迫る刺客を追い払う警護が必要だ。人柱同然の任務に駆り出されたのは、成果こそ立てたものの型破りな捜査で煙たがられていたチェンだった。
この映画のここが面白い
ギャグ、アクション、そしてギャグ、アクション!!
文字で説明すると映画の内容全部書き起こさないといけないくらいの圧倒的に視覚に訴える有無を言わさないスピード感!!
ネタバレありとは言ったけど、いちいちシナリオの説明をしてちゃこの映画を語れない!!
あらすじの項でも軽く触れましたが、ジャッキー演じるチェンは早朝から民間人スレスレでぶっぱなして文句を言われるし、犯人を追うためにバスにぶら下がって配下のギャングを窓から放り出してボスに詰め寄るような、傍から見れば無茶苦茶な人物です。
セリーナの警護についてからも、同僚と一芝居打ち、襲撃されたフリをして懐柔を試みたり、自宅に連れ帰ったら恋人と鉢合わせて痴話喧嘩を起こしたり、映画の中で起こる出来事はコントコントの連続です。
鉢合わせ、巻き込まれた人々のリアクションのオーバーさも相俟って、まるでドリフターズや吉本新喜劇のようなズッコケコントを見ている気分になります。
しかしこの映画の優れているところは、それが時代遅れで寒いという感覚にならない部分にあります。
そのカラクリはジャッキー・チェンという役者のアクションのキレにあります。
アクションはもちろんの事、映画全編通して発揮される彼のキレキレの動きは、ギャグシーンのオーバーリアクションを不自然と思わせないほどに説得力として作用しています。また、単純に構成が優れているため、ギャグシーンがダレるよりも早々にアクションへ移行する気持ちよさもあります。
また、現代で言うところのシリアスな笑いに近い面白さがあり、刑事たちもギャングも己の目的を果たすために一生懸命戦っているため、それが呆れるほどコテコテなギャグをおかしく、強調する仕組みになっています。
ラストシーンまで有無を言わさずその調子で、スタッフロールでお馴染のNG集を見るとあれもこれもガチのスタントだったのかと、ある意味でこの映画を見ている時間のうち最もシリアスな体験ができます。
是非この映画は、スナック菓子と炭酸飲料を片手に休日を笑い飛ばして終わるために見て欲しい。私はなんとなくストックしていたポテチがこんなにおいしかったことがありませんでした。
私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。