VSゴジラシリーズ化の流れに乗って
ゴジラ・シアター、70周年を祝した再上映イベント。
流石に全部を上映してくれるわけもなく…と思いきや本邦本家制作の完全新作『-0.0』が迫る2026年も引き続き、何の記念かはさておき連続再上映イベントとして継続してくれるようです。
そして、これまでのラインナップの満足度を高める反面不安要素でもあった、昭和シリーズ増量から一転、いよいよ平成ゴジラのシリーズ化を確固たるものとした、VSシリーズが並び立ちます。
特に、次回及び次々回再上映予定の『VSスペースゴジラ』と『VSデストロイア』は、去年の今頃ピックアップされた『VSメカゴジラ』と並ぶVSシリーズの最終三部作、全部が全部完結編として送り出された超大作です。
そして今回、『VSモスラ』はシリーズ化の狭間。前作であり前回再上映ラインナップでもある『VSギドラ』のヒットを受けて今で言うところのユニバース化もそれなりに意識しながら制作された側面があります。
我らがティム・バートンが訪日した際に「僕にも一本撮らせてくれ!」と唸った力の入りよう。
それはシリーズ屈指の長尺を誇る特撮シーンの豪華絢爛さという形で顕著に表れています。
バトルモスラ、通称バトラを新怪獣として呼び寄せたこともまた面白く、これまで幼虫二匹に対する成虫一匹だった見た目の不自然さを解決しつつ、破壊の面白さを強調しています。
更に、一応は無力を前提として描かれていた幼虫が体をくねらせて海を渡るなど、明確な怪獣として描写され、対決怪獣の格を確固たるものとしています。
元はモスラ単独の企画だったという製作経緯もあるようで、後の平成モスラ三部作に近い、夏休みのジュブナイル的作風も個性的です。4作とも12月公開作品ですが。
みなとみらいがズドーンガッシャーン!たまらねえ!!!

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今作に対して個人的な思い入れをより一層強くする要素は、地元横浜みなとみらいが派手にぶっ壊されている点にあります。
育ちの地への恨みと言えばひとしきりですが、何もそんなありふれた破壊願望だけがそうされるのではありません。
思い出してみてください。『シン・ゴジラ』で湘南新宿ラインの通勤の要、武蔵小杉が襲撃を受けたあの感動を。
確かにあの暴力的な乗車率への恨みを晴らすスッキリはありましたが、それ以上にその場を知っているという認識が迫力を増大させました。
国産の映画を鑑賞し、まして現代劇であれば、この要素を欠かして語るわけにはいかないでしょう。刑事ドラマの映画化が未だ鉄板、安定した興収成績を出せるメカニズムの秘訣も隠れているはずです。
また、『モスラ対ゴジラ』をオマージュ元、ほとんど原作と位置付けたせいか、映画としてある種の締まりができた作品にも見えました。
今の視点だと少しばかりクドく見える環境破壊への警鐘や、善悪を超えた地球意思の代弁者を演じる今作の小美人ことコスモスの存在。
ゴジラVSシリーズと言うよりは平成ガメラ三部作的ですが、そもそものモスゴジがそうした作風。
環境破壊の極地である怪獣を使って金儲けを企む企業と、それに対する報い。キングコングとコラボしていた時期の東宝らしい企画意図が、タイムカプセル的に継承されています。
その結果が富士山活火山化とゴジラ出現などを筆頭とする特撮の雪崩、劇場鑑賞の価値間違いなしです。
私みたいに見落としている人がいたら是非見て欲しい。あなたの感想も聞きたいから。
次回